うちには黒猫がいる。

彼がうちに来たのは2018年の暮れだった。夫の知人づてに埼玉の保護団体の人に連れられてやってきた。生後3ヶ月ほどと聞いていたが、あまり子猫っぽくない顔で体も大きかった。

名前は散々迷ったすえ「三匹荒野を行く」という昔のディズニー映画(実写)に出てくる猫の名前をもらった。レトリバー犬とブルテリアとともに、アメリカの荒野を旅するシャム猫の名前だ。
最初は映画の名前通り「テーオ」と呼んでいた。今は縮まって「テオ」と呼んでいる。
「三匹荒野を行く」のテーオは強気で物怖じしない猫、という印象の猫だが、うちのテオは一言で言うと「おっとりした猫」という印象だ。元から体が大きかったので、なんとなく余裕があるのかもしれない。
先住者である犬(マルチーズ)のことは一応先輩と思っているフシがあり、水を飲んでいる時に突撃されれば譲ってやり、しつこく遊びに誘われても怒らないでいる。

猫の模様で一番多いのがキジトラ(黄色っぽいベージュの地に黒い縞模様)で、次に多いのが黒猫らしい。三毛猫や茶トラは模様に染色体が影響するが、キジトラと黒猫は関係ないのだそうだ。
確かに道を歩いていて見かける猫はキジトラか黒猫が多いような気がする。うちの近所にも野良の黒猫が2匹ほどいたことがあり、近所の人から「お宅の猫ちゃんが逃げてますよ」と電話がかかってきたりした。(なお、本人(猫)は私の横で寝ていた)
しかしSNSでは黒猫の画像はあまり見かけない気がする。
SNS映えしない・イメージが悪い(不吉だとか)とかで、保護施設でも残ってしまいがちだという話も見かけたことがある。
不吉かどうかはわからないが、映えというか写真を取るのが難しい存在ではあると思う。丸くなっていたり目を瞑っていたりすると猫なのか●なのかよくわからなくなる。顔を撮ってみても目と鼻のテカリは映るものの他はよくわからずいつも<●>▽<●>みたいな顔になる。
当然、物陰にいたり隙間にいたりすると影と同化してまったく存在感がなくなる。
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そのせいなのか、うちの猫は狩りが得意だ。
毎年温かくなってくると生きたネズミやらクモやらムカデやらを捕まえて持ってくる。獲物を見せにくる、というよりは、私や先輩(犬)と一緒に遊びたいようだ。外飼していたらきっと、モグラやヘビや鳥を捕まえてきただろう(恐ろしい)
今年で猫は7才になった。人間で言ったら中年だ。来年もまだ元気でネズミを捕まえてくるのだろうか。それとも、すでに老境に差し掛かっている犬(10才)のように毎日寝てばかりになるのだろうか。
ネズミを捕ってくるのはそろそろ辞めてほしいが、元気ではいてほしいと思う。